手書きのシャープペンシル市場は、成長市場なのか? ゼブラのレポートを参照

シャープペンシル市場は、まだまだ成長する

いきなり、問いに対する回答を述べさせてもらうと、シャープペンシル市場は、素晴らしい市場だと感じます。

 

次回、オレンズやデルガードに関してマーケティングした記事を書く予定なのですが、その情報収集をする中で、面白いものを見つけました。デルガードを開発・販売するゼブラの調査報告です。

 

シャープペンシル市場は、洗練されてきた

※データの出典は最後にまとめて記載します。

シャープペンシル市場において、販売数は年々減っているようですが、一方で、販売金額は上がっているようです。

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販売金額 = 販売数 × 単価 ですから、売れる本数(販売数)が減る代わりに、一本の値段(単価)が高くなってきているということです。

 

これは、ずっと売り場を見てきている自分も肌で感じています。僕がが高校生になるまで、商品は大きく3つのグループに分かれていました。

 

⑴製図用シャープペンシル(だいたい1000円〜)、⑵ドクターグリップ、アルファゲル(600〜)、⑶その他、安いシャープペンシル(120円くらい)

 

要は、当時の学生にとって、ドクターグリップとアルファゲルだけが戦友だったのです。一方、シャープペンシルに関心がない人は、ほとんどが安いものを買っていたのです。

 

ちなみに、この「安いもの」は、それがどこのメーカーのものか識別をしようとも思えないほど類似していたので記憶にも残らないものが多いのです。

 

しかし、今はどうでしょう。2008年に500円弱のクルトガが現れてから、シャープペンシル市場は、安易に特徴のないシャープペンシルを提供しにくい市場になったのです。すると、他のメーカーも色々考えます。今回の題材のオレンズやデルガードを開発したぺんてるさん、ゼブラさんも、それぞれ、クルトガと同じ価格帯のものを出してきています。

 

これらのシャープペンシルにおいて重要なことは、多くの人が、それがどんな名前のシャープペンシルかを意識的に識別していることです。つまり、ちょっと高いくらいなら買ってもいいかな、という良質なデザインの商品が増えたのです。販売数は減っても、少々高額な商品が売れるようになった。ドクターグリップ一強の時代はもう終わり、クルトガ一強の時代でもなくなったのです。まさに、今、戦国時代の始まりです。

 

ゆえに、シャープペンシル市場は、ようやく今、成長してきたと言っても過言ではないと考えます。

 

ちなみに、2009年あたりまでの販売数の伸びは、それこそクルトガのものだと僕は推測しています。また、2010年頃に、ちょうどクルトガは金属グリップのハイグレードモデル(1000円)を出しています。金額の伸びは、このようにクルトガのようなヒット商品のハイグレードモデルが出ることも影響すると思います。

 

スマホとの競争となるか?否、ならない。シャープペンシルは時代に残り続ける。

クルトガがで始めたのは2008年。ちょうど、スマートフォンがちらほら見え始めた頃です。これから、メモは書くのではなく、スマホにメモする、という人は増えたと思いますが、結局、手書きの使い勝手の良さはなくなっていません。

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これも、ゼブラさんが調査したものです。本当にいい調査をされていると思います。

 

どうやら、使い分けをされているようです。つまり、シャープペンシルのヘビーユーザーである学生が大人になっても、使い勝手の良さを感じ続ける人は一定以上いると考えられるし、「筆記」という情報を整理する方法と一緒に、シャープペンシルも残り続けると思います。

 

その際は、もしかしたら、クルトガではなく、モノグラフ(トンボさんの製品)へ移行する可能性はありますけどね。

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モノグラフ製品ページhttps://www.tombow.com/products/mono_graph/

 

モノグラフは、大きい消しゴムを内臓するシャープペンシルで、筆箱を持たないビジネスマンをターゲットにしている商品だと考えられますので。

 

学生がノートを取る文化も、なくなったりはしない(なぜなら、多くの大人も、スマートフォンと筆記を使い分けているから)のですから、シャープペンシル市場はスマートフォンと別の市場で生き残り続けるのです。

 

さて、そんな戦国時代を作り出してきた商品のうち、新たな勢力、オレンズ、デルガード。これらについて、次回、分析してゆきます!

 

ゼブラ:報道資料(手書きに関する意識調査

 

制作:ゆるリサーチ

提供:あたまのなかのユニバース

 




 

やてん

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